検査済証って何?
とても簡単にいうと、この建物は設計図通りに建てられたことを検査済みですから安心して下さいねという証明書のようなものです。
建築物を建築する際は、建築基準法をはじめとした関連法規に適合した設計図を作成して、役所に提出してチェックをしてもらいます。これを建築確認と言います。
無事に許可がおりれば、建物の建築にとりかかることが出来る訳です。
建物が建ったら、建築確認でチェックしてOKをもらった設計図の通りに建てられているか建物を検査します。
もちろん設計図通りになっていない個所があれば修正を命じられます。
最終的に、すべて設計図通りに建築されていることを確認し、検査済証が交付されます。
検査済証のない物件は、この完了検査を受けていない可能性が高いです。
あらためて検査してもらって、検査済証の再発行は出来ないの?
残念ながら、検査済証は再発行できません。建物が建って、使い始めてしまうともう取得出来なくなってしまいます。
あなたが中古物件を検討していて、その物件が「検査済証なし」なのであれば、もう取得することは出来ないということです。
無いとどんなデメリットがあるの?
時代のトレンドとしてはここ10年~20年ぐらいで、検査済証(完了検査)の重要性は増して来ています。
検査済証がないことによる明確なデメリットとしては、大規模な増改築や用途変更が出来ないことでしょう。
理由は明確で、大規模な増改築や用途変更をする場合は役所のチェックを受けなければなりませんが、増改築以前の問題で、現在の建物のチェック(完了検査)が済んでいない状態です。
その状態では、そもそも現在の建物の遵法性(適法に建てられていること)が確認出来ません。
増改築や用途変更の適法性をチェックするに値しないという事ですね。
また、検査済証のない物件を購入する際は、金融機関から融資を受ける難易度が高いです。
一概に無理という訳ではありませんが、検査済証がないことを理由に、融資が出ずらかったり、融資が出たとしても条件が通常よりも悪かったりすることはあります。
⇒木造アパートや、戸建てなどは検査済証が無いことも多いので、影響度は低いですね。
検査済証がない物件は買っちゃ駄目なの?
一概に駄目という訳ではありません。割安に購入出来そうなら検討しても良いかもしれません。
ただ、上述したデメリットは必ず頭に入れておきましょう。
たとえば、「自分は現金で購入するから融資が出る出ないは関係ない」と思うかもしれません。
でも、人生何が起こるかわかりません。突然の転勤や、家族構成の変化などで、将来、その家を売却する必要が出て来る可能性もあります。
そのときに、現金で購入出来る人にしか売却できず、購入可能層が極端に少なくなるというデメリットが生じるかもしれません。
不動産購入に金融機関からの融資を使う人のほうが大多数であることを考えれば、金融機関が融資を出したがらない物件は、避けた方が無難でしょう。
不動産の購入を検討していて、【検査済証なし】という記載を見つけたらご注意ください。